秘密を共有する
秘密を共有する
概要
暗号技術は、わたしたちが情報を共有するとき、驚くほど高レベルのプライバシーを保つことに役立っていま す。この学習では、情報が共有されながら、誰もそれを開示しない状態ができることを学びます。子どもたち は、自分たちの平均年齢を、誰が何歳かを明らかにしないまま計算する方法を体験します。
技能
- 平均の計算
- 乱数
- 共同作業
年齢
- 7 歳以上
教材
- 子どものグループごとに1つずつ必要
- 小さなメモ帳
- ペン
- ワークシート
- 応用と解説 PDF
- 授業用補足資料 PDF
秘密を共有する
はじめに
この学習では、子どものグループごとに、自分たちの平均年齢を他の誰にも明かさないまま見つけ出す作業をします。ほかにも、グループのお小遣いの額の平均や、その他個人的に立ち入った数値についても同じことができます。この学習で扱う統計的作業は、大人を対象にすればよりうまくいきます。なぜなら、大人になるほど自分の年齢や収入を明かすことに敏感になるからです。
各グループには、最低でも 3 人の子どもがいる必要があります。
議論
- 子どもたちに、各グループの平均年齢が誰も自分の年齢を言わなくてもわかる方法があることを説明し、 興味を持たせます。どうやればこれができるか、あるいはできると思えるかを考えさせ、発言させます。
- 共同作業する子どもを 6 人から 10 人選びます。最初の子ども にメモ帳とペンを渡し、いちばん上の紙に適当に選んだ 3 桁 の数をこっそり書かせます。この例では、613 がその数になります。
- 同じ子どもに 1 枚目を破り取らせ、次の紙に、1 枚目に書いた 数に自分の年齢を加えた値を書かせます。この例では、最初の 子どもの年齢は 8 なので、2 枚目には 621 が書かれています。 破り取った紙は、他の誰にも見せずに持っているよう指示し ます。
- メモ帳を次の子どもに渡します。表に書かれている数に自分の年齢を足して 2 枚目に書かせ、1 枚目を破 り取り、隠し持たせます。この例では、2 番目の子どもの年齢は 10 です。
- 4 と同じ作業を、最後の子どもが終えるまで続けます。
- メモ帳を、最初の子どもに戻します。その子に、自分が手に持っている最初の数(適当に選んだ 3 桁)を、表に書かれている数から引いてもらいます。この例では、メモ帳は 5 人の子どもの間を次々に渡されてい き、最終的に 657 という数字が書かれています。最初の数は 613 だったので、これを引くと 44 という値 が得られます。この値は、子どもたちの年齢の合計です。したがって、平均年齢は、この数値を子どもの 人数で割ることで計算することができます。その結果、この例ではグループの子どもの平均年齢は 8.8 歳 となります。
- 子どもたちに、各自が持っている紙を全員が破ってしまえば、隣どうしで相談しない限り、他の子どもの年齢を誰も知ることができないことを話し、あらためて秘密が守られていることを確認させます。