カード交換の手品
カード交換の手品
概要
データをディスクに格納したり他のコンピュータとやり取りするときに、私たちはデータが変化しないことを期待しています。しかし、たまにデータが偶然変化してしまうことがあります。
この章の学習では、データの破損(エラー)を検出して訂正するために、手品を使います。
教科学習との関連
- [数と計算](小4)計算と検算(確かめ)
- [数量関係]パターンや関係を探求する
技能
- Counting 数を数える。
- Recognition of odd and even numbers 偶数と奇数の認識。
年齢
- 9歳以上
教材
- 片面のみに色がついた(冷蔵庫に貼るような)マグネットシート 36 枚
- デモンストレーションに使うためのホワイトボードやマグネットボード
- 日本で作成したワークシート
- 大阪府立大学嘉田先生による13桁バーコード計算PDF
手品
実演:手品師になるチャンスですよ!
どちらの面かわかるカードがたくさん必要です。大きなシートを切って使うときは、片面だけ色がついたものを使いましょう。両面の色が違う平らな磁石のカードを使うと便利です。
①子どもを選び、カードを好きな面が見えるように 5 行 5 列の正方形に並べさせます。
「もっと難しくしてみましょうか」と言いながら、 何気なく縦と横に1列ずつ加えます。
この加えたカードが手品のポイントです。
あなたは縦と横の色のついたカードがそれぞれ偶数になるようにカードを加える必要があります。
②目をつぶっている間に、子どもにカードを1枚だけ裏返してもらいましょう。
そのカードの行と列は色のついた枚数が奇数になるので、裏返されたカードを見分けることができます。
子どもはこの手品のタネがわかりましたか ?
手品の説明
- 2人組になって、5 行 5 列にカードを並べましょう。
- 色のついたカードは、縦と横にそれぞれ何枚ずつありますか ? 奇数でしょうか偶数でしょうか ? (0 は偶数です )
- 次に、横の色のついたカードが偶数枚になるように、右に 6 枚目のカードを置きましょう。 このカードのことをパリティカードといいます。
- いちばん下に 6 枚目のカードを置いて、 縦の色のついたカードが偶数枚になるようにしましょう。
- 次に、カードを1枚裏返します。縦と横はどうなりましたか ? (色のついたカードの枚数が奇数になりました)パリティカードは間違いが起きていることを知るために使われます。
- かわりばんこに手品をしてみましょう。
発展学習
- 他のものでもやってみましょう。2つの状態を持つものなら何でもいいです。例えば、トランプやコイン(裏か表か)または、1か0が書かれているカードなどは2進法に関係させることができます。
- もし 2 枚以上のカードがひっくり返されたらどうなるでしょう。 (何かが変えられたことはわかるとしても、どの 2 枚がひっくり返されたかを正確に知ることはできません。たいていは、「2 組のカードのどちらか」に絞り込むことができます。4 枚がひっくり返されたときは、すべてのパリティが打ち消しあって、エラーがまったく検 出できないこともあります)
- もうひとつ面白い課題を、パリティカードが交わる右下の角のカードで考えてみましょう。 もしあなたが、その列方向で正しいパリティとなるようにカードを置いたら、その左の行 方向のカードに対しても正しいものとなっているでしょうか?(その答えは、いつもイエスです)
- このカードを使った学習では、色がついた偶数枚のカードを偶数パリティ(1 のビットを 偶数個使用するコード)として扱いました。奇数パリティでもできるでしょうか。 (可能です。ただし、右下のカードについては同数の行と列で作られている場合に限りま す。行と列の数が両方とも偶数か両方とも奇数である必要があります。たとえば、5×9や4×6の並びのときはうまくできますが、3×4の場合はできません)