アンプラグドの原則
アンプラグドの原則
アンプラグド・プロジェクトの第一の目標は,おもしろくて,魅力的で,知的で刺激的な学問としてコンピュータ科学 (と一般に,コンピューティング) を若年層に促進することです。人々の想像力を取り込んで,コンピュータ科学者になるためのものというというありがちな誤解を指摘したいと思います。特定のソフトウェアやシステムに依存しない,(2020 年にまだ新鮮である) 原理を伝えたいと思います。小学校の子どもにもできて,大学のコースの補足資料にもなるようなものを提供したいと思います。情報強者と情報弱者,工業国と開発途上地域の間の隔たりを横断するように,ハイテクな教育方法でできないような領域に踏み込みたいと思います。
コンピュータ科学を促進するための多くの有益なプロジェクトがあります。アンプラグド活動を特徴づける主要原理は,以下の通りです。
コンピュータを必要としません
活動はコンピュータに依存しません。これは,プログラミングやアプリケーション・ソフトを学ぶこととコン ピュータ科学を混同するのを避けて,コンピュータを使えなかったり使いたくなかったりする人の活動を可能にし,アイディアを開拓することができるようになる前にプログラミングを学ぶことの障壁を回避します。例えば,パリティ手品は,コンピュータメモリの誤り訂正と同じ原則を使用するカードゲームです。アンプラグドは 技術革新を否定するやり方とは全く違います。私たちは,活動を共有したり開発したりするためにインターネットやその他のコンピュータ設備を活用します!
本物のコンピュータ科学です
アンプラグドは,アルゴリズム,人工知能,グラフィックス,情報理論,ヒューマンコンピュータインター フェイス,プログラミング言語など,コンピュータ科学の基本概念を提供します。プログラミングは末端ではな く,中心であると強調したいと思います。ウィキペディアのコンピュータ科学の定義や,ピーター・デニングの 重要原則プロジェクトが,それがカバーするトピックスのより詳細な分析を提供しています。
やってみて学びましょう
活動は身体的で,しばしば大規模だったりチームワークを伴ったりします。例えば,並べ替えネットワーク活 動では,6 人のチームが地面に描かれたネットワークの上を走ります。活動は,補助するために解決策やアルゴリズムをただ単に与えるというよりも,むしろ,生徒自ら答えを発見させるようにします。その問題に適用する 解決策を与えるのではなく,生徒自らそれを発見することができるようになって欲しいので,ソクラテス的問答法は奨励されます。
楽しいですよ
活動は,時間つぶしではなく,楽しく魅力的です。パズル,挑戦,競争,問題解決,およびユーモアがあります。アンプラグドの活動は,本物の達成感を生徒に残すべきです。活動においてストーリーに強い印象がしばしばあります。問題は抽象的な数学の挑戦としてというよりむしろストーリーの一部として提示されます。子どもはプライバシーより海賊に興味を持っていて,とんでもない架空の物語は説得力のあるビジネス応用より忘れられない場合があります。
特別な用具はいりません
教室や文房具屋で普通に見つけられるような用具を使用して,活動にお金はかかりません。大部分は紙と鉛筆,それにおそらくカード,紐,チョーク,ホワイトボードマーカー,ボールや,同様のものを必要とする程度です。
変化を奨励します
アンプラグドはクリエイティブ・コモンズに従って発行されていて,これは (感謝を伴う) 自由な共有を許容します。変化,適合,および拡張は奨励されます。これは,題材を地域の教育実践者がよりアクセスしやすくするためにパッケージをある程度アレンジして地域向けに発行することを妨げません。
みんなのために
プログラムはとても国際的です。私たちは地域文化に関連している変化を奨励します (例えば,大きい遊び場 を必要とするいくつかの活動は,ほとんど場所のない学校ではボードゲームに変えることができます)。翻訳者 は,局所的に活動を試みて,教師とかかわるべきです。地域文化にとってあまり意味のないものを忠実に翻訳す るより,むしろ活動を適合させる方がいいのです。活動には性別による区別はありません。
協同しましょう
私たちは協力,コミュニケーション,および問題解決を奨励します。また,適切に使えば,特に個人よりむしろチーム間で競争させることも有効である場合があります。
独立した活動
活動は相互に依存せず使用できる,独立した単位です。なので,系統立てて使われるより,カリキュラムをより充実させるために使うことができます。
弾力的にしましょう
活動は誤りにも柔軟です。多くの難しいステップを正確に実行しようとする必要はありません。多少の誤りは,参加者が原則を理解するのを妨げたりしません。